「大阪ミナミの貧困女子」村上薫、川澄恵子著
行き場を失い、最後のセーフティーネットである夜の「ミナミ」で働く女性たちを取材したルポルタージュ。
32歳のあやこさんは、看護師を目指して進学した大学をパワハラが原因で中退。親にも見放され、思い詰めていたところ親身に話を聞いてくれたホストの紹介でセクシーキャバクラのホステスに。さらにスカウトされ、本番があると知らずにソープ嬢になってしまう。昨春には客経由でコロナに感染、さらに妊娠中絶まで経験したが、今もソープで働き続ける。
その他、拾った食べ物で飢えをしのぐほど貧しかった少女時代を経験したさくらさんや、「親がボンクラだったから」と14歳から水商売で働いているという20歳のゆうさんら。たくましく生きるミナミの女性たちの素顔に迫る。
(宝島社 968円)