「レイシズムとは何か」梁英聖著

公開日: 更新日:

「レイシズム」は、「人種差別」「人種主義」と訳されるが、著者は「人種差別を引き起こすチカラ」と定義する。レイシズムとは「ありもしない人種をつくり上げ、人間を分断する人種化を行う。人口にとっての生物学的危険として、劣等人種をつくり上げ、社会防衛を掲げて、その人種を排除し、最終的には殺そうとする」ことだという。

 生物学上、遺伝的な意味で人種は存在しないことが定説になっている。つまり、人種が存在した上で人種差別が起こるのではなく、人種差別という実践や慣習があるからありもしない人種がつくられるのだと指摘。

 近代のレイシズムの歴史を振り返りながら、レイシズムとは何か、そして日本社会にも確かに存在するレイシズムについて解き明かしたテキスト。

(筑摩書房 1034円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    六代目山口組・高山若頭の相談役人事の裏側を読む

  2. 2

    大物の“後ろ盾”を失った指原莉乃がYouTubeで語った「芸能界辞めたい」「サシハラ後悔」の波紋

  3. 3

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  4. 4

    フジ経営陣から脱落か…“日枝体制の残滓”と名指しされた金光修氏と清水賢治氏に出回る「怪文書」

  5. 5

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  1. 6

    上沼恵美子&和田アキ子ら「芸能界のご意見番」不要論…フジテレビ問題で“昭和の悪しき伝統”一掃ムード

  2. 7

    “路チュー報道”STARTO福田淳社長がフジ新取締役候補というブラックジョーク…堂本光一も痛烈批判

  3. 8

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希 160キロ封印で苦肉の「ごまかし投球」…球速と制球は両立できず

  5. 10

    ダウンタウン浜田雅功“復帰胎動”でまたも「別人疑惑」噴出か…中居正広氏「病後復帰」では陰謀論がワンサカ