「あなたの隣の精神疾患」春日武彦著
精神疾患の実際と対処法を解説する入門書。いまや多くの人が患う「うつ」だが、さまざまなケースが混在しており、一律に扱うべきではないという。同情すべき場合も、叱咤すべき場合も、そして服薬や入院が必要な場合もあり、それらを見分けるのが先決だそうだ。
現実的には「抗うつ薬」がよく効くタイプは「従来型うつ病」で、発症年齢が比較的高い。一方の「新型うつ病」はマスコミ用語であり、神経症やパーソナリティー障害などが「うつ状態」を呈しているケースをそうネーミングしただけだという。その神経症やパーソナリティー障害、統合失調症などの精神疾患の具体的な症状やかかりやすいタイプ、治療・対応法から、近親相姦や引きこもりの舞台となる家の問題まで。現代人必須の知識を伝授。
(集英社インターナショナル 1012円)