「本と鍵の季節」米澤穂信著
図書委員の堀川と松倉が、放課後、図書室で当番を務めていると、委員を引退した3年の麻里先輩が現れ、アルバイトを持ちかけられる。死んだ祖父が残した金庫を開けてほしいというのだ。以前、2人が暗号小説を解いたことを思い出して、白羽の矢が立ったらしい。
日曜日、2人は麻里の家を訪問。金庫は書斎にあった。麻里は以前、祖父から「麻里にはなにかいいものをあげよう。大人になってから、もう一度この部屋においで。そうしたら、きっとおじいちゃんの贈り物がわかるはずだよ」と言われたという。しかし、部屋を見渡しても、それらしいものはなく、ヒントになりそうなのは書棚くらいのものだった。(「913」)
高校2年の図書委員コンビが身近な謎を解いていくミステリー連作集。
(集英社 792円)