「リンパのふしぎ」大橋俊夫著
リンパとは、毛細血管と細胞の間に存在するすき間、「内部環境」を満たす水分から作られる液体で、運ばれてきた血液中の栄養分の細胞への受け渡しを調節する重要な役割を担っている。本書は、リンパによって、病気を未然に防ぐ「未病」の仕組みを解説してくれる医学テキスト。
健康維持や免疫力アップに水分摂取が大切なことは江戸時代の文献に記されるなど、古くから経験的に知られてきた。それは、十分に水分を摂取すると腸のリンパが流れ、免疫力を上げるからだという。体内で何が起きているか、その詳細を紹介。一方でむくみとリンパの関係、さらにがん治療とリンパの関係など、最新の研究成果を踏まえ解説する。
コロナ禍で注目が集まる免疫力を上げるための重要な因子であるリンパについて学ぶ。
(筑摩書房 968円)