「敗軍の名将」古谷経衡著

公開日: 更新日:

 第2次世界大戦での日本の戦争指導部ほど「無責任で、戦略的概念を喪失した人々はいない」。しかし、中には命令に抗い、最後まで合理的精神を貫いた指揮官たちがいた。そんな指揮官たちの行動を描く歴史読み物。

 まずは、「無謀・無策」の象徴であるインパール作戦に従軍した佐藤幸徳中将とその部下、宮崎繁三郎少将。著者は現地に飛び、その作戦の無謀さを体感した上で、作戦が強行された経緯を詳述。作戦で10万人の日本兵のうち4万人が飢えとマラリアで死んだが、最前線にいた佐藤中将は部下の命を守るため上官に逆らって撤退を決断。宮崎少将率いる連隊は一人の餓死者も出さなかった。

 その他、沖縄戦で独自の防衛計画を立てていた参謀の八原博通大佐など4人の名将に現状打破のヒントを学ぶ。

(幻冬舎 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動