「敗軍の名将」古谷経衡著

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 第2次世界大戦での日本の戦争指導部ほど「無責任で、戦略的概念を喪失した人々はいない」。しかし、中には命令に抗い、最後まで合理的精神を貫いた指揮官たちがいた。そんな指揮官たちの行動を描く歴史読み物。

 まずは、「無謀・無策」の象徴であるインパール作戦に従軍した佐藤幸徳中将とその部下、宮崎繁三郎少将。著者は現地に飛び、その作戦の無謀さを体感した上で、作戦が強行された経緯を詳述。作戦で10万人の日本兵のうち4万人が飢えとマラリアで死んだが、最前線にいた佐藤中将は部下の命を守るため上官に逆らって撤退を決断。宮崎少将率いる連隊は一人の餓死者も出さなかった。

 その他、沖縄戦で独自の防衛計画を立てていた参謀の八原博通大佐など4人の名将に現状打破のヒントを学ぶ。

(幻冬舎 990円)

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