「永田町動物園」亀井静香著
平成以後、自民党には利害調整ができて、党内の空気を読みながら義理人情で接する政治家がいなくなったが、二階俊博はそういう調整型の筆頭格だ。幹事長在職日数は歴代1位である。小泉純一郎に重用され、2004年に選挙を仕切る総務局長に任命、翌年には郵政民営化関連法案を審議する特別委員会の委員長になる。
これでは「郵政民営化に反対する議員は選挙で支援しない」と言明したようなもので、選挙の時は党の考えに従わない候補に対抗馬を立てる。その結果、亀井は離党、選挙に大勝した二階は自民党の最大権力者になった。他に、気弱な青年だった安倍晋三など、政治家のウラを書きまくる。
(講談社 1760円)