「ローカルおやつの本」グラフィック社編集部編
郷土食と同じように、その土地土地の人に長く愛されてきたおやつがある。老舗や高級店が作る名物的なお菓子ではなく、地元のスーパーや菓子店、駄菓子屋などで売られ、あくまでも住人たちが日常的に口にするおやつだ。
そんな全国各地で愛されてきたおやつを紹介するグラフィックガイド。
独自の食文化を誇る愛知県は、おやつもバラエティーに富んでいる。
同県の小学生が遠足時に欠かさず持参するのは「ビスくん」(三ツ矢製菓)。製造元の三ツ矢製菓は、高知県の県民食として親しまれるミレービスケットも、明治製菓(現・明治)から引き継ぎ製造をしている。それぞれ製法が異なり、工場に潜入して発売以来変わらぬ製法を守る「ビスくん」が作られる過程もリポート。
同県には他にも、あんこをビスケットの生地にはさんで焼き上げた「しるこサンド」(松永製菓)などのように、いまや、全国にその名を知られているものもある。
他にも、ジャガイモのでんぷんを使った「でんぷんせんべい」や、パリパリの生地の中に水あめが入った「あめせん」(両方とも松浦商店)、根室の名物「オランダせんべい」など、北海道のちょっと不思議なせんべいから、小麦粉の衣にスルメを混ぜて揚げた硬さが自慢の沖縄駄菓子「いちゃがりがり」(新里食品)など、北から南まで約250品のおやつがずらり。
他にも昭和30年代から愛され続ける青森県八戸の名物サイダー「みしまバナナサイダー」(八戸製氷冷蔵)や、高知県人なら知らない人はいないソウルドリンク「リープル」(ひまわり乳業)などのご当地ドリンクも網羅する。
お腹を満たすだけでなく心も満たしてくれるおやつ。お取り寄せ情報も添えられているので、外出がままならない日々の心の栄養に全国のお菓子を食べてみては。
(グラフィック社 1815円)