「私が進化生物学者になった理由」長谷川眞理子著

公開日: 更新日:

 進化生物学者の著者が人生を振り返りながら、自らの研究についても語る自伝エッセー。

 母親が病気で、和歌山・紀伊田辺の父方の祖父母の家で過ごした幼少期に生物への興味が開眼。動物が好きで、その生態を研究したいと考えていたが、進学した東大にはその手の学科は存在していなかった。

 大学3年のときに野生のニホンザルの調査を始め、論文を仕上げるが、来日したチンパンジー研究の世界的権威から、論文がよりどころとする「動物は種の保存のために行動する」という「群淘汰」の考えが誤りであることが世界では常識になっていることを教えられる。その後の水も電気もないアフリカでの2年に及ぶ調査など、研究者として独自の道を切り開いてきた日々を語る。

(岩波書店 1276円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動