「イベルメクチン」大村智編著
イベルメクチンは、ノーベル賞を受賞した編著者の大村氏が、1970年代に発見・開発した抗生物質。熱帯の疫病の特効薬として広く使用されてきたが、近年では熱帯以外でもさまざまな病気の治療に用いられている。さらに動物用製剤がペットや家畜にも使われる「多機能医薬品」で、新型コロナウイルス感染症に対する治療効果も期待されている。
実際に37カ国で使用され、治療および発症予防効果だけでなく、重症化を抑制する作用も確認されつつあるという。しかし、巨大製薬企業などの思惑が働き、規制当局は使用に後ろ向きだ。
本書は、世界各地での基礎的・臨床的研究の成果を紹介しつつ、イベルメクチンの新型コロナ感染症に対する効果について解説し、横行する虚偽情報に反論する。
(河出書房新社 935円)