「最期の声」山川徹著

公開日: 更新日:

 2016年に熊本地震が起きたとき、心臓疾患がある4歳の宮崎花梨は、市内の病院が倒壊する恐れがあるため、救急車で福岡の九大病院に転院することになった。救急車に輸液ポンプは積めたが、人工呼吸器を積むスペースがない。主治医が手動ポンプで酸素を送りながら搬送したが力及ばず、花梨は5日後に死亡した。ほかにも災害関連の自殺、避難中のエコノミークラス症候群による死亡など、災害関連死は少なくない。

 ところが、21年、災害関連の記録に関する議事録が、経費と人手不足のため福島市、郡山市など6市村で廃棄されることになった。災害関連死した人たちの「最期の声」が消されようとしている。

 災害支援について、10年かけて取材したノンフィクション。

(KADOKAWA 1870円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  3. 3

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  4. 4

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  5. 5

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  1. 6

    永野芽郁「二股不倫報道」の波紋…ベッキー&唐田えりかと同じ道をたどってしまうのか?

  2. 7

    レベル、人気の低下著しい国内男子ツアーの情けなさ…注目の前澤杯で女子プロの引き立て役に

  3. 8

    芳根京子《昭和新婚ラブコメ》はトップクラスの高評価!「話題性」「考察」なしの“スローなドラマ”が人気の背景

  4. 9

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  5. 10

    大阪万博会場は緊急避難時にパニック必至! 致命的デザイン欠陥で露呈した危機管理の脆弱さ