「おいしくて泣くとき」森沢明夫著

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 中3の心也は6年前に母を病気で亡くして以来、食堂を営む父と2人暮らし。夏休みを前に、靱帯損傷でサッカー部を辞めた心也は、暇を持て余していた。

 そんな中、担任からコンクールに応募するための学級新聞の責任者に指名される。女子の責任者を任された夕花は心也の幼馴染みだった。夕花は心也の父が食堂で事情を抱えた子供たちに食事を提供する「こども飯」の常連だった。学年一の不良・石村も「こども飯」を食べに来ている。心也はできれば父親に「こども飯」をやめてもらいたい。夏休みに入り夕花が住むアパートの前を通りかかった心也は、彼女が義父に暴力を振るわれている現場に遭遇する。

 中学3年の切ない夏のひとときを描いた青春小説。思わぬ結末に涙必至。

(角川春樹事務所 869円)

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