「恋のトリセツ」黒川伊保子著
人生の後半に突入した大人になっての恋は、相手のさりげないことばやしぐさの中に幻影の種を見つけて、自分でゆっくり花を咲かせる──そういう営みであり、自分自身の脳の中で起こることだ、と著者。誰かに心引かれるということは脳にとっての最大の活性剤でもあるそうだ。脳科学・AI研究者が、そんな大人の恋を楽しむ方法を説いた指南書。
男は定番に愛着が湧き、女は時間をかけた対象に情が湧くという。だから2人の逢瀬が習慣になって、彼の定番を理解するまでそこに踏み込まないのが大人の恋のルールだと説くなど。人生の大事には至らなかったが信頼と友情で結ばれた自らの男たちと思い出や言葉を語りながら、大人の恋について語りつくす。
(河出書房新社 891円)