「戦車の歴史」加登川幸太郎著
戦争の象徴的存在ともいえる兵器のひとつ、戦車の誕生から地上戦の主役となるまでの歴史を世界各国の事情を交えながら俯瞰した1977年刊行の名著の復刻。
戦車は第1次世界大戦の最中に、イギリスとフランスがそれぞれ同時期に開発に着手。ともに主な狙いは戦線に張り巡らされた敵の鉄条網の始末だった。そして1916年、イギリス軍が戦車50両をドイツ軍との戦いで苦戦を強いられていたフランスのソンムの戦場に投入。しかし、イギリスでは戦況を一変させた戦車への評価は低く、常に異端視扱いされた。
対して、戦後、ドイツやソ連では敗戦や革命によって軍の伝統が失われ、戦車の開発が進み、それとともに戦術が発展していったという。日本を含む戦車開発の歴史をたどる。
(KADOKAWA 1694円)