「超ミニマル主義」四角大輔著

公開日: 更新日:

 先日、通勤カバンを買い替えて荷物を移しているときに、持ち物の多さに愕然(がくぜん)とした。そして、自分の身の回りは不要なものであふれている気がしてきた。そんな衝撃の真っただ中で見つけたのが本書だ。著者が勧める「ミニマル(最小限)主義」は、単に質素に暮らそうという内容ではない。身軽になることで自分の可能性を最大限に引き出し、パフォーマンスを極限まで高めるのだという。

 まずは、サイフのミニマル化を実践した。ミニマル化は最小単位から始めるのがよく、ここで妥協すると大きな荷物の軽量化が難しくなるという。著者に倣い、サイフに入れるのは最小限の紙幣とクレジットカード1枚、クレジット連動IDカード1枚、免許証程度にとどめた。ポイントカードやクーポンなどは行く店の“縛り”を生むため所持しない。自宅の玄関に小さなケースを置いておき、必要な領収書は部屋に入る前に、新しいものを手前から入れる。すると、経費精算時に直近から遡ることができて無駄な時間を使わなくて済むのだ。

 最初はサイフがスカスカになって心もとない感じもしたが、慣れてくるとかつてのサイフには必要ないものが詰まっていたことを実感させられた。サイフがパンパンで仕事ができる人はほとんどいない、という著者の言葉が刺さる。

 この調子で、「アポは15分単位で刻む」という予定管理テクニックも実践した。すると、タイムマネジメントがうまくなってきた気がする。時間を細かく刻む習慣で、スケジュール管理へのシビアな感覚が身についたためだろう。

 余計なコトやモノを手放すと、行動がシンプルになり、確かにパフォーマンスが上がるのを実感する。ミニマル化、すごくいいゾ。 <浩>

(ダイヤモンド社 2090円)

【連載】毎日を面白くする やってみよう本

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  2. 2

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    巨人・田中将大“魔改造”は道険しく…他球団スコアラー「明らかに出力不足」「ローテ入りのイメージなし」

  5. 5

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…

  3. 8

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  4. 9

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  5. 10

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…