「超ミニマル主義」四角大輔著
先日、通勤カバンを買い替えて荷物を移しているときに、持ち物の多さに愕然(がくぜん)とした。そして、自分の身の回りは不要なものであふれている気がしてきた。そんな衝撃の真っただ中で見つけたのが本書だ。著者が勧める「ミニマル(最小限)主義」は、単に質素に暮らそうという内容ではない。身軽になることで自分の可能性を最大限に引き出し、パフォーマンスを極限まで高めるのだという。
まずは、サイフのミニマル化を実践した。ミニマル化は最小単位から始めるのがよく、ここで妥協すると大きな荷物の軽量化が難しくなるという。著者に倣い、サイフに入れるのは最小限の紙幣とクレジットカード1枚、クレジット連動IDカード1枚、免許証程度にとどめた。ポイントカードやクーポンなどは行く店の“縛り”を生むため所持しない。自宅の玄関に小さなケースを置いておき、必要な領収書は部屋に入る前に、新しいものを手前から入れる。すると、経費精算時に直近から遡ることができて無駄な時間を使わなくて済むのだ。
最初はサイフがスカスカになって心もとない感じもしたが、慣れてくるとかつてのサイフには必要ないものが詰まっていたことを実感させられた。サイフがパンパンで仕事ができる人はほとんどいない、という著者の言葉が刺さる。
この調子で、「アポは15分単位で刻む」という予定管理テクニックも実践した。すると、タイムマネジメントがうまくなってきた気がする。時間を細かく刻む習慣で、スケジュール管理へのシビアな感覚が身についたためだろう。
余計なコトやモノを手放すと、行動がシンプルになり、確かにパフォーマンスが上がるのを実感する。ミニマル化、すごくいいゾ。 <浩>
(ダイヤモンド社 2090円)