「猫を処方いたします。」石田祥著
「猫を処方いたします。」石田祥著
京都の証券会社の営業マン・秀太は、上司のパワハラが原因で仕事のことを考えるだけで胸が苦しくなり、夜も眠れない。近所の病院を手あたり次第受診したが、一向に改善されず、評判を小耳にはさんだ「中京こころのびょういん」を訪ねる。
話を聞いた医者は「猫を処方します」と言って、キャリーケースに入った猫のビーを秀太に手渡す。戸惑う秀太だが、医者は平然と薬よりも猫の方が「よく効く」という。
半信半疑で猫をアパートに連れ帰った秀太だが、2日後、同僚から手渡された書類が問題となり、会社をクビになってしまう。
ほかにも、本社から来た女性上司の言動が鼻につき、夢にまで出てくる男性に処方されるマルゴなど、人生に疲れた患者と処方された猫が織り成すハートフルストーリー。
(PHP研究所 924円)