「あたらしい時代の開運大全」谷口令著
風水や占いなど、いわゆるスピリチュアルなものには興味がなかった。たとえば「仕事で成功したければ毎日トイレ掃除してピカピカにしておくべし」などの開運術をよく耳にするが、運気の“ウン”にかけた駄洒落じゃあるまいしと信じてこなかった。
そんなイメージを一新してくれたのが本書だ。開運術の中心にある風水や九星気学は統計学や環境学など一定の理論に基づいて成立しており、根拠のないおまじないではないと解説。そのため、時代やライフスタイルの変化によって内容も変化しているという。半信半疑ではあるが、アップデートされている開運術を実践してみた。
まずは前出のトイレ関連。何も“トイレ掃除”という行為自体が運気を上げるわけではなく、汚れやすいトイレがきれいであるという状態が日々のストレスを減らすことに役立ち、結果として運気を高めることにつながるそうだ。そして、現代のトイレは自動洗浄機能などで清潔が保たれやすくなっているため、毎日必死に掃除する必要もなし。
むしろ、天然のアロマオイルでよい香りを漂わせたり、タオルは暖色系を選んで心地よい空間づくりを行うのがいいというのでやってみた。確かにトイレに行くたび心が落ち着き、気持ちよい暮らしがポジティブな行動につながってきたようだ。
金運については、お札を窮屈にさせないため長財布がいいといわれているが、キャッシュレスが進む現代にはもう古い。本書にならい、必要最低限の現金が入る軽くてコンパクトな財布に替え、余分なレシートは即時整理して身軽になることを心がけたら、日々気分がいい。
“運気を高める”という意味が分かってきた気がする。 〈浩〉
(ダイヤモンド社 1650円)