「23時のおつまみ研究所」小田真規子著、スケラッコ絵・マンガ
「23時のおつまみ研究所」小田真規子著、スケラッコ絵・マンガ
猛烈な暑さが続きすでにヘトヘトだが、ひとつうれしいのがビールがウマいこと。汗だくで帰宅してキンキンに冷えたビールをグイッ! 一日の疲れが吹き飛ぶ至福の時だ。
せっかくだから酒の肴もウマいものを用意したいと思っていたところ、おつまみに特化したレシピ本を発見。「おつまみは“料理”にあらず“娯楽”なり」というコンセプトのもと、簡単だが酒をよりおいしく飲むための6つの軸、すなわち香り・食感・塩気・うま味・温度・刺激別にレシピを紹介している。
例えば、「油じゃこと葉の香りサラダ」。水菜とサラダ菜にじゃこと白ごまをのせたら、熱々に熱したごま油をジャッとかけ、塩コショウと酢で味を調えれば出来上がりだ。サラダをつまみに飲むなんてと思ったが、作ってみたら意外やビールに合う! 野菜の軽さに香ばしい油の香りが加わるだけで、こんなにビールが進むのかと驚いた。
食感が決め手の「ポリポリごぼう15センチ」は、あえて15センチ以上に長く切ったごぼうにニンニク、醤油、砂糖で味付けし、小麦粉をまぶしたら1センチほど油を入れたフライパンで揚げ焼きにする。この長さが酒を楽しくするポイントで、ポリポリと無心で噛みなが合間にビール、またポリポリ……グビッと永久に飲んでいられそうだった。
料理がめんどうなときのおつまみも役立った。クセになってしまったのが、うま味の宝庫であるチーズに漬物を添える食べ方。ごま油と白カビという個性が不思議とマッチする「カマンベール+ザーサイ」、華やかで爽やかなうま味がワインにも合いそうな「モッツァレラ+しば漬け」など、酒が進んで困ってしまうぞ。
夏はこれから。ウマい酒とおつまみで何とか乗り切りたい。 〈浩〉
(ポプラ社 1430円)