「教養としてのテーブルマナー」小倉朋子著

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「教養としてのテーブルマナー」小倉朋子著

 コロナ禍に比べて外食もしやすくなり、人と会食する機会が増えてきた昨今。思いがけず食事のマナーが悪い人と同席したことで、あらためて自分は大丈夫かと不安になってしまった。そこでテーブルマナーを再確認するのに役立ったのが本書。著者は企業などの研修も請け負っており、カトラリーの扱い方といった基本はもちろん、同席者が気持ちよく食事できる振る舞いなども解説している。

 例えば、美しい食べ方のキーワードに挙げられているのが「絶景キープ」。きれいに盛り付けられた皿の上の景色を、食べ終わるまで保つのだ。食べ方はもちろん、皿の上の様子も自分が思う以上に同席者の目に入りやすいもの。食べたいものを盛り付けの下から引っ張り出すような食べ方をすると、その景色は途端に破壊されてしまう。

 絶景キープの食べ方を身につけるには、“盛り付けがどこから始まりどこで終わっているか”を見極め、盛り付けの終わりから食べ進めればいいという。さっそく外食の際に意識してみると、根菜などの野菜が幾重にも盛り付けられ最後にグリルした魚を乗せているものや、肉の上に葉物野菜、最後に根菜を立てかけるように盛り付けてあるものなどさまざまあった。そこで、前者ならまず魚から、後者は根菜から食べるよう気を付けたら、皿の上の景色がきれいなまま食べ終えることができた。以降、小鉢に入った煮物などでも盛り付けの上から食べるようにしたら、我ながら上品な食事姿になった気がする。

 ピザは先端からナイフとフォークで食べるのが本家イタリア式、中国料理では取り皿も含めて持ち上げて食べるのはNGなど、各国料理のマナーも紹介。ビジネス会食の場でも役立ちそうだ。 〈浩〉

(SBクリエイティブ 1760円)

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