「超一流の腸活術」江田証著
「超一流の腸活術」江田証著
「腸活」という言葉をよく耳にするようになった。食事や生活習慣で腸内細菌のバランスを整え健康や美容に役立てるというものだが、腸活の効果はそれだけではないと教えてくれたのが本書。腸とは無関係に思える筋トレの効率をよくするなど、意外な効果もあるというのだ。
ちょうどメタボの腹を引き締めようとジム通いをしていたところなので、本書が教える腸活術を取り入れてみた。筋肉を増やす食事で真っ先に思いつくのがタンパク質だが、実は日本人が筋力アップを図るためには、海藻をたっぷりと食べて腸活を行うことが必要なのだという。
日本人の腸には海藻を分解しやすい酵素が多く、海藻を食べることで腸内に酪酸菌と呼ばれる善玉菌が増える。酪酸菌がつくり出す酪酸には、筋肉を溶かして萎縮させてしまう酵素を抑制する働きがあり、日本人の腸を調べてみると酪酸菌が多い人ほど筋肉量も多いことが分かっているそうだ。
そこで、タンパク質の摂取と同じくらい海藻の摂取も意識するよう心掛け、味噌汁の具や酢の物、炒め物にもワカメをたっぷりと使うようにした。すると、心なしか以前よりも筋トレの量に比例して筋肉がつきやすくなっている気がする。腸内で酪酸菌が頑張ってくれているおかげだろうか。
腸で9割がつくられるという幸せホルモンのセロトニンを増やすためにも腸活は有効で、腸内環境の悪化とうつ症状には密接な関係があると本書。そこで、善玉菌を減らす過剰な飲酒を控えたり、就寝中に増加する口内細菌を体内に入れないよう起床後すぐに歯を磨くなど、腸活に役立つ習慣でメンタルの強化も実践中だ。
最強の腸をつくって最強の心身を手に入れるぞ。 〈浩〉
(KADOKAWA 1650円)