「トゥルー・クライム・ストーリー」ジョセフ・ノックス著、池田真紀子訳

公開日: 更新日:

「トゥルー・クライム・ストーリー」ジョセフ・ノックス著、池田真紀子訳

 ノックスに作家仲間のイヴリンから「トゥルー・クライム・ストーリー」という件名のメールが届く。添付されていたのは7年前に世間を騒がせたマンチェスター大学の新入生ゾーイの失踪事件について取材したノンフィクション作品の草稿だった。ノックスは仕事が忙しくてメールを放置。

 すると半年後、イヴリンが新しい情報をもとに改訂版を送ってきた。今度は読んでみると、ゾーイが周囲の人々には明かせない秘密を抱えていたことが明らかになっていた。しかし、イヴリンは原稿を完成させることはできず、ノックスは彼女の集めた取材テープやメモをもとに原稿を完成させ、出版する。

 ノックスが完成させたそのノンフィクションという体裁で描かれた仕掛けが巧みなミステリー。 (新潮社 1265円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に