「リカバリー・カバヒコ」青山美智子著
「リカバリー・カバヒコ」青山美智子著
宮原奏斗(かなと)は中学卒業と同時に新築マンションに引っ越した。それまで通っていた郊外の中学では通知表に5が並ぶ優等生だった。ところが推薦入試で入った都内の進学校で、中間テストの結果は42人中35位!
帰り道、「日の出公園」に寄った。ところどころ塗料がはげているカバのアニマルライドがある。後頭部に黒ペンで「バカ」と落書きされている。翌日も行ったら、同じクラスの雫田さんがいて、自分の体の治したい所とカバヒコの同じ所を触ると回復すると教えてくれた。奏斗はカバヒコの頭に手を置いて、「頭脳回復、頼むよ、カバヒコ!」。
小さな願いをもった人びとを描く連続短編小説。
(光文社 1760円)