「よもだ俳人子規の艶」夏井いつき、奥田瑛二著
「よもだ俳人子規の艶」夏井いつき、奥田瑛二著
人気俳人と、自らも30年以上俳句を詠んでいるという俳優・映画監督が、俳句に革新をもたらした明治の俳人・正岡子規の作品とその人生を語り合うトークセッション。
「よもだ」とは子規の生まれた伊予国(愛媛県松山市)の方言で、「へそ曲がり」とか「わざと滑稽な言動をする」などのニュアンスを意味する。子規はまさに「よもだ」そのものの人だったという。
子規はその短い生涯で2万5000句もの俳句を詠んだ。今回改めて子規の句に触れた奥田氏は、34歳の若さで亡くなり、長く病床にいた子規に遊女や遊里を詠んだ句が多いことに驚いたという。
それらを「艶俳句」と称して読み解いていくなど、多くの作品を取り上げながら、表現者・子規の神髄に迫る。
(朝日新聞出版 935円)