(19)あとは源斎に任せるということか
産婦の呻きに呼応するように、行灯の火が揺れる。幾度目かの陣痛に苦しみ、お紋が積み上げた布団に預けていた背を反らす。
産門の具合を見ていたお利久が、「よし!」と叫んだ。
「もう充分だ、いきんで!」
美登里はおかみさんたちが沸かしてくれた湯を盥にあけ、産湯を作…
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