「奔流」広野真嗣著
「奔流」広野真嗣著
2021年、コロナ・デルタ株の新規感染者数は急落したが、オミクロン株が流行し始める。11月の新型コロナウイルス感染症対策分科会で、今後のコロナ診療をどこまで優先させるかについて討議された。
翌年、オミクロン株感染者が急増したが、リスクは初期に比べ低下しているとの指摘があった。飲食店の営業時間短縮などの私権制限をやめる潮時だと。コロナ禍で自殺者が増え、婚姻・出産数は減っていたが、経済へのダメージは過小評価されていた。尾身茂会長が、反対者は感染症の専門家ではないと発言したことが問題視された。
コロナだけでなく、政権や世論とも闘った感染症専門家や経済学者を描いたドキュメンタリー。
(講談社 1980円)