(35)空が濃淡さまざまな赤に染まる
蔦重はじ~~っと棚を睨む。
おもむろに吉原細見を右へ。ちょっと違う。ならば左へずらす。でも、そうすると洒落本が目立たなくなってしまう気がする。
「本を並べるって案外むつかしい」
そこに義兄の声がかかる。
「いつまで同ンなじことをやってんだ」
…
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