(37)細見が山積みじゃないか
茶屋「蔦屋」の玄関、上がり框の隅、棚の隣に小さな座布団を敷き、蔦重はちょこなんと座った。「耕書堂」の主にして店員兼小僧、そして貸本屋。時には茶屋の下足番にも変じる。
「細見、ひとつ貰おうか」
「新しい絵草紙はある?」
酔客はもとより女将連中や女芸者が耕書堂の…
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