五木ひろしの“生みの親” 直木賞作家・山口洋子さん死去
70年代は山口さんの全盛時代といえる。クラブ経営のかたわら、「作詞もやる銀座のマダム」として、最晩年のパートナーとなる野口プロの野口修社長(キックボクシングの“生みの親”)と組んで演歌歌手、五木ひろしの売り出しに成功。山口が作詞した「よこはま・たそがれ」「夜空」「千曲川」などは大ヒット。他にも石原裕次郎「ブランデーグラス」、中条きよし「うそ」など名曲の作詞を数多く手がけた。
80年代からは作家の近藤啓太郎を師と仰ぎ文章修業。84年に「プライベート・ライブ」で吉川英治文学新人賞、85年上期に「演歌の虫」「老梅」で直木賞を受賞。また、野球ファンとしても知られ、東京運動記者クラブのバッジをつけて球場やキャンプ地を取材し、スポーツ紙などに寄稿していた。
「南海時代のノムさんや東映の土橋、張本も店の常連だったのでツーカー。星野や田淵、山本(浩二)とは家族ぐるみの仲でした」(球界関係者)
恋多き女としても知られ、かつてはプロ野球選手との交際を告白したこともあるが、80年代末になると一世を風靡した「姫」も下火に。