「天皇の料理番」もブレーク ヒット相次ぐ“料理ドラマ”の課題
振り返ると、前作「マッサン」は酒だが、その前の「ごちそうさん」はタイトル通り食べ物三昧。朝ドラはさりげなく(というか露骨に?)飲食物戦略をとっている。
料理人が戦国時代にタイムスリップし、料理で窮地をしのぐ「信長のシェフ」(テレビ朝日系、2013年)は深夜にもかかわらず2桁の視聴率をマークし、翌年にはゴールデンタイムでシーズン2が放送された。
「天皇の料理番」のブレークで今後、さらに増えそうな料理もの。「天皇の料理番」は小説、「信長のシェフ」はマンガが原作だから、ストーリーがしっかりしている。ただ、慌ててオリジナル脚本を作っても、人物の成長が描けなければ単なるグルメドラマになってしまうのがオチ。だから、ドラマのプロデューサーは必死に料理人マンガ(小説)を探しているはずだが、そう簡単に良質な作品は見つからないだろう。
いっそ、親子で楽しめる「クッキングパパ」(「週刊モーニング」掲載中)の再ドラマ化を勧めたい。それにしてもバラエティーもドラマも食べ物ばかりになるテレビ、これでいいのか。
(作家・松野大介)