北大路欣也&里見浩太郎 TVドラマで“高齢ブレーク”のワケ
薪割りしている貫地谷の足を手拭いで拭いてやるシーンではイチャイチャしていてコメディータッチ。演技も軽やか。
その一方で、殺陣のシーンではせりふ回しに重みがあるし、剣さばきがすごく上手!(当たり前か)
民放もNHKも大河のようなマジメな歴史劇ではなく、笑いのある時代劇ホームドラマを増やす傾向にある。そんな中で、シリアスもコメディーも区別なくできるのが北大路の強みだ。
ほかに、“高齢ブレーク”寸前なのが里見浩太朗(78)。こちらも時代劇でひとつの時代を築いた重鎮。「水戸黄門」以降は目立たなかったのに、ドラマ「リーガルハイ」や刑事ものなど現代劇でいい味を出している。50代までならプライド的に演らない脇役や、ちょっとコメディー的な芝居も、高齢になると軽く演じられるものなのだろう。
北大路、里見ともに若かりし頃、東映で人気になった。東映といえば、昨年健さん、文太さんが続けて亡くなられたが、このおふたりはドラマに出るのが考えにくい、別格のスターだった。
その点、北大路&里見はドラマ(脇役の出演もあり)で、使い勝手がよい。視聴層が高齢に向かっているから、まだまだひと花咲かせそうだ。「この人は若い頃、カッコいい役者だったんだぞぉ」とテレビ見てる子や孫に伝える時代か?
(作家・松野大介)