鼻水の季節だから知っておきたい…「色」「臭い」「粘度」の意味
この時季、多くの人を悩ませている鼻水。息苦しく見た目が悪いだけでなく、周囲に不快感を与える。そのため、鼻水を止めようと躍起になる人もいるが、鼻水を止めてもいいのか? そもそも鼻水はなんのためにあるのか? 風邪やアレルギーでその量が急激に増え、色や臭い、粘度が生じるのはなぜか。弘邦医院(東京・葛西)の林雅之院長に話を聞いた。
「鼻水は、鼻粘膜で産生された分泌液と鼻粘膜の毛細血管から流れ出た水分、涙腺からの涙液などでできています。大半は水分で、その役割は鼻から吸い込んだ空気の加湿や加温であり、鼻に入ってきた細菌やウイルス、チリやホコリなどの異物を体外に排除する手助けをして鼻の中で暖かく湿ったきれいな空気をつくり、肺に送り込むことです」
鼻水が増える原因はさまざまだが、代表的なものにウイルスや細菌などによる感染症、花粉などによるアレルギー、血管運動性鼻炎がある。
「ウイルスや細菌が鼻腔に侵入すると、鼻の粘膜からの分泌物を促し鼻水を増やして排除しようとします。これら病原体が鼻腔で増殖すると、鼻の粘膜が炎症を起こして急性鼻炎となり、くしゃみや鼻づまりを伴います。こうした症状が3カ月以上続くと慢性鼻炎と診断されます。さらに鼻の周りにある4対の空洞(副鼻腔)で感染が広がると、副鼻腔炎となります」