「成長できた」将棋・三浦弘行九段が振り返るスマホ騒動
14歳の藤井聡太四段が父親世代の羽生善治三冠(46)を破る大金星。将棋界は超新星の出現で大盛り上がりだが、少し前のこの騒動もウヤムヤにしてはいけない。スマホを使った不正を疑われ、出場停止処分を受けた三浦弘行九段(43)だ。第三者委員会の調査の結果、潔白が証明されたが、三浦九段がこの騒動で学んだものとは何か――。
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腹の立つような感情も起こりましたし、疑われたことをずっと忘れてはいけないという気持ちもあります。ただ、いったん立ち止まって物事を考えたことで、周囲の見えなかったものが見え、少しは成長できたかもしれません。
この騒動で私が学んだことは、「私には人を見る目がなかった」ということでした。決して否定的な意見ではなく、むしろ世の中には「こんなにいい人がいたのか」ということを今回の騒動で改めて学んだような気がします。
疑惑を持たれた当初、「なぜ信じてくれないのか」と被害者意識で疑心暗鬼に陥っていましたが、そんな時に一番多く対局していた丸山さん(忠久・九段)が「不正はない」と言ってくれた。擁護してくれる人が少ない四面楚歌の中で、丸山さんの言葉は重く響きました。