(53)母親がサイババに会いにいくと

「そうよ。あの人のわけがない」
新宿行きの快速に揺られながら、朝美は何度もそう自分に言い聞かせていた。時計を見ると午後十時になろうとしている。
しかし、今日はとんだ一日だった。目的は果たせず、足止めまで喰らって。あのままエレベーターが復旧していなかったら、どうなっ…
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