カンヌは落選も…河瀬直美監督「光」が“泣ける”と話題

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 昔は第一線で活躍していた天才カメラマン(永瀬正敏=50)が弱視となり、視覚障害者のための「映画の音声ガイド」の制作に従事している女性(水崎綾女=28)と出会うものの、互いに生き惑う男女の心の機微を描いたヒューマンラブストーリー。河瀬監督の故郷で現在の拠点でもある奈良を舞台に、自然豊かな山あいや自然光を多用した映像美も楽しめる。

 たとえ、カンヌで1等賞に選ばれなくても、都会暮らしで汚れた“心の洗濯”にはうってつけの作品だ。映画評論家の秋本鉄次氏もこう言う。

「河瀬監督の代名詞ともいえる『殯の森』をはじめ、初期は前衛的な作品が多かったのに比べ、『あん』同様、いい意味で商業ベースを意識した万人受けしやすいテイストに仕上がっていました。気持ちが素直な人ほど感動できる作品でしょう。ただ、個人的には、永瀬は異常性や凶暴性をはらんだ役柄のほうが光る役者であり、水崎もキャバ嬢を演じた『ユダ』のほうが好ましいと思っています。そこが残念ではありましたね」

 “カンヌの申し子”の異名も持つ河瀬監督。次回こそ――。

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