地方に力を 西川貴教が語る「イナズマロック」誕生秘話
立ち上げ当初は行政の方とコンセンサスをとるのが難しかった。地域住民からのクレームになるようなことは避けたい方たち(行政担当者)に、不安要素を『どこがわからないですか?』とひとつひとつ根気よく説明し、会議では、まず自分たちの責任を明確にして、お互いの責任を確認しました。自分の会社でもイベントでも、『西川の』と伝わった言葉には責任を持たなければいけないので、肝心な部分は自分の口で伝えたいと思っています。このフェスをやって、僕の音楽には興味はないおじいちゃんやおばあちゃんたちも応援してくれるようになったことはうれしいですね」
プレーイングマネジャーとして人に委ねることも時には必要だという。
「一人ではできないので、その都度いろんなプロに聞いてお願いしています。ただ、力を借りるには、自分に絶対的な部分がなければただの依存になってしまいます。そうならないためにも、僕はアーティストとして音楽で表現することを究めていきたいし、たくさんの方の力を借りてより多くの方にメッセージを届けていきたいと思います」
▽1970年、滋賀県生まれ。96年にT.M.Revolutionとして「WHITE BREATH」など数々のヒット曲をリリース。滋賀ふるさと観光大使を務め、「イナズマロック フェス」を毎年主催。今年は9月16、17日に開催し、9回目を迎える。新著に「おしゃべりな筋肉」(新潮社)がある。