居酒屋で客の人生相談も 遠藤憲一が忘れない“生活者目線”
■「諦めなければいい」とアドバイス
酒場では、こんなエピソードも。ある日、隣に座った中年のサラリーマンは、受験に失敗した子どものことを心配していた。遠藤は後日その子どもと店で会い、こう言ったという。
「おじちゃんは、たくさんオーディションに落ちて、食べるのも大変でね。ビアホールで働いて、食いつないできたんだけど、いつかうまくいくって思って、一生懸命やっていたら、テレビにも出られるようになったんだ。うまくいかないときはつらいけど、諦めなければいいんだよ。頑張ろうね」
趣味のカメラで撮影した身の回りの写真を客に見せて、感想やら意見を聞いたりもしているという。今回演じることになった役についても、電車でのエピソードなどを集めているのかもしれない。
年をとるごとに、知らず知らず偏屈になり、周りの声が耳に届かなくなってしまうのは中高年サラリーマンならば気をつけたいところ。謙虚さを忘れない遠藤の姿勢に学ぶべきところは多い。