人をコーフンさせる仕事だから自分がコーフンしないとダメ
04年、清志郎の衣装係として、片岡さんは晴れて返り咲くことになる。翌年、35周年記念「2005★GOD Presents ROMANCE GRAY35」が渋谷パルコ劇場にて4日間行われ、バラエティーに富んだ総勢約40人のゲストが出演。ソロ活動を始めた清志郎の集大成といった内容で、実に見応えあるライブだった。
「最終日、チャボさんが登場すると、会場の熱気も最高潮。『何しに来たんだね?』とふざける清志郎に、『ちょっとタワーレコードに用があって』と、チャボさんの返し技で爆笑です。2人がステージセンターに並ぶと、あっという間に時が戻ったよう。2人の息も自然と合い、清志郎さんは『体が覚えているんだな』と言っていました」
清志郎の中で、活動休止時のわだかまりは払拭できていたのだろうか。
「90年、チャボさんの内省的な部分、音楽的なソロ志向と、清志郎のスキャンダル性や多様性志向といった2人の違いが浮き彫りになって、ともに活動することの限界を迎えた。しかし、離れて時間を置き、10代の頃に出会った純粋な感覚に原点回帰したように思いました。あの場にいた誰もが、素晴らしいソウルメートの2人に感動したことでしょう。チャボさんは、初めて清志郎さんと渋谷のライブハウスで出会った話を始めました。『日本にこんなヤツがいるんだと思って、びっくりしたのを覚えてる』『RCで10年一緒にやって、横にいた毎日も感じてたけど、ちょっと離れてその思いが膨らんでます』と。清志郎さんは、横で揉み手をしたり、ワザとしきりにお辞儀をしたり、照れ隠しなのかふざけている。これも清志郎さんならでは。ついファンを笑わせてしまう(笑い)」