「卑弥呼」歌手以外日本人で作り上げた“なんちゃって洋楽”
まずはテンポ。当時、人気のあったアラベスクやジンギスカンの曲はほとんどBPM132、つまり1分間に132拍です。それと同じにしました。テンポを同じにすると流れが途切れないので、DJにかけてもらいやすくなるのです。金曜日の夜8時。「ハローハローミスターモンキー!」と大熱狂しているところに「ヒーミーコー」と続くんですから、盛り上がらないわけがありません。そして曲が流れたら若いダンサーを仕込んでおいて、ホールの真ん中で踊ってもらいました。原宿の「卑弥呼」という靴屋とタイアップし、踊りのうまい人に靴をプレゼントしたりもしましたね。
そんな地道な努力の甲斐もあって、予想以上に売れましたね。マービン・ゲイの武道館コンサートの時には前座も務めました。
昔は洋楽と邦楽はハッキリと分かれていましたが、今はその境界線は曖昧です。インターネットで瞬時に情報がやりとりできる時代ですから当然なのでしょうが、いい意味での洋楽らしさ、邦楽らしさが失われてしまったのは、ちょっと残念ですね。
(聞き手・いからしひろき/日刊ゲンダイ)