香取慎吾が日本初個展で見せた“社会の窓”とむき出しの自分
心臓をイメージしたオブジェ
遊びゴコロ満載で、映像の最後には「何も考えずに楽しんで欲しい」という香取の言葉が流れ、徐々に彼の下半身がクローズアップされていく。そして“社会の窓”が開く映像と連動してスクリーンが開き、展示ステージが現れると心臓をイメージした巨大なオブジェが出てきた。なんとも個性的な形状だが、観客は自由に触れることができ、BOUM、BOUMという心音が体感できる仕掛け付き。感慨深げにお触りする女性ファンが後をたたなかった。
別のブースには、本人の内視鏡写真をコラージュした作品が展示されていた。いやはや、自らの内臓を有料(チケット代一般3500円)で披露するとは……。以前よりネットで「闇が深い」などと囁かれてきたが、こうなると計り知れぬ闇を表現することへの喜びすら感じさせる。
鑑賞者の多くは、時に驚き、時に笑いながら、理解と関心を深めている様子。SNSにも〈面白かった〉〈また(香取慎吾の)中に入りたい〉〈(鑑賞制限の)120分では足りない〉といった称賛の声が散見されるが、「きちんとした美術館でキュレーターなどを交えて展示を行った方がいい」(アート系の雑誌ライター)といった声も聞こえてくる。
むき出しの自分を表現した日本初の個展。香取ワールド全開だったのは、間違いない。