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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

ピエール瀧出演「麻雀放浪記」斎藤工は真田広之を超えたか

公開日: 更新日:

■話題性は抜群

 若い人の間では「面白かった」という声もある一方で、昭和の「麻雀放浪記」を見た中高年にとっては期待外れという声が多くを占める。当時は麻雀ブームもあったが、今も語り草になっている名作。35年前、真田広之が演じた主人公“坊や哲”を「イメージにぴったり」といわれていた斎藤工がどう演じるのか、さらに「仁義なき戦い」など実録物を得意とする東映作品。麻雀の世界の巧みなイカサマをどう描いているのか往年のファンは楽しみにしていた。蓋を開けて見ればびっくり。時代設定を変えた監督の意図は伝わらず、「真田の放浪記が良かった」と懐かしむ中高年の正直な感想があった。そんななか、ベッキーが麻雀クラブママとアンドロイドの2役で好演していたのが光っていた。

 多くの人の心に残る昭和の名作を別な俳優で再演するのは、「砂の器」や「白い巨塔」のドラマでもお馴染みだが、内容を変えないのが通例。その時代の俳優を起用して名作を再現するから何度見ても関心も呼ぶし面白い。皮肉なことに同じ東映でも公開前は出演者のGACKT自ら「くだらない映画」と自虐的に宣伝していた「翔んで埼玉」は公開7週目にしていまだベスト10入りする健闘。最初からコミックと分かって見るから、面白さが伝わるものである。

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