TVタックル主題歌で注目 東野純直さんはラーメン屋店主に
2、3年間は3カ月に一度、多額の入金も…
さて、鹿児島市に生まれた東野さんは、中学時代からロック系バンドを組んでボーカルを担当。九州ではコンテスト荒らしとして知られる実力派だった。
「それでも全国大会のハードルは高い高い。毎回、鼻をへし折られて帰郷する状態でしたね」
高校卒業後は音楽エンジニアを目指して福岡県内の専門学校へ。そして92年10月、第1回ヤマハ・ミュージック・クエスト’92世界大会に出場するや、見事、審査員特別賞受賞。プロデビューが決まった。
「発売元のテイチクレコードさんが、随分と力を入れてくれました。そのおかげで、93年4月リリースのデビュー曲『君とピアノと』はドラマ『君といつまでも』(テレビ朝日系)のエンディングとロッテリアの『イタリアンホット』のCM、続いて7月発売のセカンドシングル『君は僕の勇気』が『ビートたけしのTVタックル』のエンディングに選ばれたんです」
「君は――」は30万枚以上のスマッシュヒット。その後も自作曲が次々と番組テーマ曲に採用され、コンサートは大盛況だった。
「印税の初振り込みは93年12月ごろで500万円。それ以降、2、3年間は3カ月に一度、多額の入金がありました。裕福にこそなった半面、次第に作品作りのプレッシャーがキツくなり、迷いも生じだし……」
地に足がついた生活の必要性も感じ、かづ屋の門を叩いたのは08年。以降、ラーメン作りに打ち込み、開業に至った。
昨年からはライブ活動にも力を入れており、11月29、30日には、ベトナム・ホーチミン市で開催の民間交流イベントに参加予定。12月21日の埼玉・西川口ライブは約500席がすでにソールドアウトだ。
「来年2月にピアノトリノでのライブを企画中で、それ以降に新曲リリースも予定しています。決まり次第、SNSで告知しますね」
(取材・文=高鍬真之)