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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

SNSはもはや世界的な殺人道具 何が「名無しの書きこみ」だ

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「自粛警察」などという疎ましいやつらは見えなくなったようだが、今度は、恋愛リアリティー番組などという露悪的な企画に出演した女子レスラーが自殺に追いやられたとは……。残された親御さんの気持ちを思うと絶句しかなかった。SNSはもはや世界的な殺人道具だ。何が「名無しの書きこみ」だ。番組提供者がどうして先にそんなものを撃退させるか消去処理しなかったかが問われるぞ。何でもリアルに見せたいから野放しにしていたのなら醜悪だ。中傷殺人者たちは自分の名前や身分が知られないことをいいことに鬱憤を晴らすひねくれ者だが、そもそも、リアリティー番組に現れる言葉はどこまで台本無しなのか?

「気持ち悪い」「消えろ」だけでは現行法では裁けない。しかし、ネット上の悪態の主の正体を明かさせるには告訴しかない。警察に捜査させ、SNS業者に協力させ、その陰険な匿名者を追跡して呼び出し、裁判にするか示談で慰謝料を取るかだ。告訴の費用も心の負荷も増すが、突き刺された言葉のナイフは相手に抜き取らせることだ。彼女が所属したプロレス団体も訴訟を考えていると聞いた。せめてものお弔いだ。総務大臣が法制度の見直しをするとか言ったが、これもいつの事か分かったもんじゃない。コロナ自粛がなければ、彼女はそんな誹謗など物ともせずに、リングで跳びはねていただろうに。

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