大竹まこと「老人は若者からコロナ感染」発言の身勝手
コロナで2通りの人がいることがわかったのではないか。コロナが怖くて一歩も外に出たくない人。手洗い、マスク、混雑を避ける以外に防ぐ方法がないので、やることをやって泰然としている人。テレビの出演者にはとくに前者が多く、不安であおりまくった。
その代表のような芸能人の一人は「TVタックル」(テレビ朝日系)に出ている大竹まことではないか。何事にも批判的で、斜に構えているが、根っこにあるのは単なるわが身かわいさとしか思えない。14日、元厚生労働省医系技官の木村もりよとやり合った。
木村は「今のうちにコロナのピークを作るのは論理的」とし、経済を回すことが大切とずっと主張している。対して大竹は歌舞伎町のホストが数十人も陽性になっているため、「若い人がかかって重症化しないとするじゃん。でも、若い人は年寄りと一緒のこともあるわけだよね。その辺はどうするの?」「そうなったらこっちに感染する可能性があるでしょ」と老人が若者にうつされるリスクを強調した。
コロナは平等で、いつでも、どんな人にもうつるし、自分が他人にうつすかもしれない。黒人も白人も感染する。英国のジョンソン首相、低所得者層にも感染する。若者が年寄りに、その逆、感染した年寄りが若者にうつすこともある。しかし、大竹は自分はうつさない、俺にうつすな、安全でいたいということだろう。訳知り顔の団塊の世代だが、かわいいのは自分だけという身勝手さを痛感する。一言で言えば、コロナ怖いであれこれ差別している人と同じだ。
コロナ禍で「人を見ることができた」といっては言い過ぎか。
(峯田淳/日刊ゲンダイ)