ずん・やすさん ネタのために自己破産して真面目に働いた
■飯尾の背中を追いかけ
当時の若手には借金してる芸人が多くて、他の芸人なんて「消費者金融でお金下ろしてくる」って自分の銀行みたいに言ってましたからね。
僕は「ヘーシンク」というコンビをやっていて30歳の時に解散、同じ時期にコンビを解散した同じ事務所の飯尾(和樹)さんとコンビを組むことになったんです。「借金を工面する時間ばかりでネタ作りがおろそかになってはいけない!」と考え直し、自己破産して真面目に働くことにしました。
結局は親に泣きついて弁護士費用を借りたりしました。親にはその前から「ちょっと5万円振り込んでくれないか」とか公衆電話からよく頼んでその金もパチンコにつぎ込んでまして、今、自分で話していて恥ずかしくなります。
20年前、30歳で「ずん」を組んでから真面目に週5でバイト。建築現場で水道工事の仕事をしました。
相変わらず節約生活で、ご飯は米を1合炊き、お茶漬けのもとを混ぜてでっかいおにぎりを作って持っていき、昼休みにコンクリートむき出しの現場で食べてしのいでいました。お茶漬けのもとは味がのびるし、中のアラレがお米の水分で膨らんで昼ごろにシナッとなっておいしい具になるんです! 貧乏だったから生まれたグルメ。