滝沢歌舞伎ZERO大ヒット コロナ禍を逆手に取った演出の妙
■逆境を演出に変えたエンタメ力
先日、コロナ禍の影響で初の紅白出場を断念したSnow Man。1stライブもコロナで中止となるなど、記念すべきデビュー年は、コロナの影がついて回る1年となってしまった。
しかし、そんな逆境すら演出にできる「底力」を持ったグループなのだろうと、今作を見ているうちに思えてきた。
プロフェッショナルな技術を求められる古典芸能や殺陣などを、どのメンバーも「表現する」というところまで落とし込み、魅せる。これらをここまで完成させ上げること自体、彼らが常に逆境と向き合ってきた証拠だろう。
今作は、コロナがなければ実現されなかったコンテンツだ。逆境や困難は、ストーリーを引き立てる良きスパイスとなる。彼らは決して気の毒ではない。この逆境を演出に昇華させ、より素晴らしいエンターテイメントを提供してくれるに違いないと思わせてくれたと同時に、日本のエンターテイメントの持つ力を実感させる、まさに「新時代のエンターテイメントの幕開け」であった。