滝沢歌舞伎ZERO大ヒット コロナ禍を逆手に取った演出の妙
限られた時間の中で、殺陣、歌舞伎、変面、日本舞踊、バレエ、アーティスティックスイミングやバトンなど、さまざまな技法と表現方法を融合させたステージングが怒涛のごとく繰り広げられていた。
現代の日本でできる限りのエンターテイメントの追求が詰まっており、舞台でもあり、映画でもあり、ライブでもあり、でもそのどれでもない「新時代エンターテインメント」だと強く感じさせる。
また、滝沢歌舞伎の名物ともいえる「腹筋太鼓」。腰から上半身だけを起こす“腹筋運動状態”で延々と太鼓を打ち鳴らす演目だが、肉体と精神を追い込みながら鬼気迫るパフォーマンスには「男の生き様」のようなものを感じて、息をするのを忘れるほどだった。
映像によって、細やかな息遣いや、筋肉の動きなどがよりダイレクトに目や耳に飛び込んでくる。それにより、アトラクションを体感しているような気分も味わうことができた。
またライブのようなシーンや、笑い溢れる時代劇のシーンもあり、139分の上映時間の中でいろんな「娯楽」を楽しむことができた。