YOASOBIの1stアルバムを解析 配信王者が伝えるCDの魅力
■パッケージとしての強み
そんな YOASOBIらしい"遊び心"は、今回の「THE BOOK」の作り方にも表れている。
1曲目は"終章"を意味するインストゥルメンタル「Epilogue」から始まり、そのまま今作のリード曲「アンコール」へと続く、初手からクライマックス感を演出しながら失速することなく次曲へと続いていく。
まさに前のページか次のページに意味を持たせ、ページの連続が作品を生むように、一つ一つが完成された"楽曲(物語)"でありながら、「THE BOOK」という物語の一部でもあるかのようだ。
サブスクにより、欲しい曲だけダウンロードして聞く人たちも増えているが、CDの魅力はやはり並べて聞いて初めて"作品として成立する"パッケージとしての強みだろう。
配信リリースで活躍の場を拡げたYOASOBIだが、今作を聞いて"CDという形あるコンテンツに対するリスペクト"を持っているであろうことが感じ取れる。