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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

“病気”のまま天才に才を認めさせたマヂカルラブリー野田

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 大抵の芸人は芸歴を重ねる中で、自分は松本のような天才ではないと気付き、芸風を自分に合ったものに変えていく。しかし、野田はそうではなかった。そのことについて語ったのが今週の言葉だ。

 野田は高校時代に「学校へ行こう!」(TBS)の企画「お笑いインターハイ」で優勝。電車移動中はサングラスに帽子、クラスメートを「素人」扱いして口を利かなくなり、学校行事に参加するならギャラを要求など、分かりやすく天狗になった。

 そのまま、プロになると養成所出身の芸人を見下し、やがて“地下”へと潜っていった。一時はコンビを組んでいたが、ピン芸人になると「スベってる笑いこそが笑い」「突き詰めた笑いはスベる」「ウケてる芸人はダサい」(TBS「人生最高レストラン」21年2月20日)とまで考えるようになってしまった。

 そんなときに出会ったのが、大学お笑い王者の村上だった。彼は野田を見て「ツッコミがあれば売れるんじゃないか」と思い、コンビを結成。アルコ&ピース・平子が「野田は奇人としての天才で、村上はそれを説明する天才」(「しくじり先生」21年3月8日)と評する2人は、すぐに若手ライブで連戦連勝になった。

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