ミルクボーイ「M-1」優勝までの凸凹道…霜降り明星に発奮
ネタのチョイスを替えていればもっと早く世に出ていたはずですが、本人たちいわく「5年サボってました」というように、新ネタも作らず、バイトとギャンブルに明け暮れ、NGK(なんばグランド花月)では若手に交じってオープニングアクトでかぶり物をつけてダンスをするだけで「売れてやる!」という意気込みを全く感じませんでした。そんな中、後輩の霜降り明星がM-1チャンピオンになった頃から「俺ら何やってんねん?」と意識が変わり、ギャンブルも封印、先輩からの食事の誘いも断りネタ作りに没頭したのです。
M-1の2カ月前に行われた「関西演芸しゃべくり話芸大賞」は「最中ネタ(7分)」で圧勝。打ち上げの席で「M-1用にうまく削り込みや。決勝にも行けると思うよ」と言っていたのが、決勝どころか優勝してしまったのです。やはり周りがどう言おうと、本人が意識を変えないと何も変わらないものです。
M-1の本番でも「今年初めてのテレビ」と言っていましたが、優勝後は10年分の仕事がひと月で入ったそうです。東京への移動も深夜バスから新幹線に替わり、「出世払い」だった散髪の料金も払えるようになりました。
昨年のコロナ禍でも東京―大阪を100往復。あくまで拠点は大阪という2人。どんなに売れようと慢心することなく、若手の頃から変わることなくいつも礼儀正しく謙虚なミルクボーイ。これからもさまざまな「おかんの疑問」に答えてくれるでしょう。