「劇場番長」見取り図がM-1チャンピオンになるためには…
■強すぎる言葉と「おまえ」グセ
よく、ツッコミに「死ね!」「殺すぞ!」という言葉を簡単に使うコンビを見かけます。こういう時は強すぎるから他のワードに言い換えるように指導しています。
それでも、ネタのパワフルさは変わらず、声の小さなリリー君とのバランスが悪いので、ダメ出しはほとんど「もっと声張って!」しか覚えていません。それから、盛山君のセリフの語尾に「おまえ!」「なに言うてんねんおまえ!」「違うやろおまえ!」「やめろやおまえ!」と必ずワンセットで「おまえ」が付いてくるという問題もありました。気にしてはいても、クセになってなかなか取れないものです。
語尾に「おまえ」が付くとなぜ良くないか? たとえば「やめとけ!」と言い切るとセリフにキレがあり、ボケもより際立つのですが「やめとけおまえ!」となると、語尾が流れてツッコミがぼやけてしまうのです。もちろんネタのセリフとして意図的に言う「おまえ」は別ですが、無意識で言ってしまう「おまえ」は百害あって一利なし。
作り話のようですが、かまいたちの濱家君もワンセットで「おまえ」が付いてきて、なかなか直せませんでしたが、ある時、「盛山の“おまえ”が耳障りや~」と舞台袖から見取り図の漫才を見ていると、徐々に少なくなっていきました。盛山君もずいぶん減ったと思いますが、完全に消えてビシッとツッコミができた時には、M-1チャンピオンになっているかもしれません。
子供の頃から目立ちたがり屋だったという盛山君、絵を描くのがうまく、どこか牧歌的な雰囲気のあるリリー君。全く違う個性が相まって、独自の世界を描き出す見取り図。これからの飛躍に期待です!